水素について注目の研究成果

慶応義塾大学医学部が発表

2020年11月27日に慶応義塾大学医学部から発表された研究報告は、毎日1時間の水素吸入で自律神経のバランスが整い、血圧の降圧効果があるというもの。

研究の概略

さまざまなストレスが原因で交感神経が活性化すると、血圧が上昇し脈拍が速くなります。この状態が長く続くことで動脈硬化が進行し、臓器に対して悪い影響を与えてしまいます。

脳卒中・循環器病は、国内でも年間33万人が死亡するとされている疾患です。これらの疾患は、生活習慣の改善等で予防可能な疾患であること、なかでも高血圧は循環器病の最大の危険因子であり高血圧を制する対策が必要となってきます。

水素には抗酸化・抗炎症作用があることが知られており、これまでの研究では、脳の酸化ストレスや炎症が脳からの交感神経を増強させ過度な活性化を生じさせることが示されています。


研究の成果

吸入した水素は血流によって全身へ

同研究グループは水素を1回吸入した際の、吸収、分布、代謝、排泄の過程を詳細に評価するブタを用いた新しい実験系を開発。

これにより吸入した水素は単純な拡散ではなく、血流によって全身に運ばれることがわかり、頸動脈を経由する脳へは水素の移行する量が多い可能性が示唆されました。

自律神経のバランスが整い、血圧が下がる効果


水素吸入という手段により『水素を効率よく脳に届けて交感神経の活性化を抑えることで血圧が下がるのではないか』と推測し、モデルラットに毎日1時間水素を吸入させて観察。

その結果4週間後には、水素含有ガスを吸わせたラットと水素非含有ガスを吸わせたラットで比較すると高血圧が有意に改善。水素吸入によって安静時だけでなく、活動時の血圧も低下していることが明らかとなりました。

自律神経機能障害が水素吸入によって改善されることが証明されました。


今後の展開

同研究グループは、中国での新型コロナウィルス感染症による重症の肺炎の治療に水素吸入が活用された事例を含め、水素ガスの別の効果についても研究を進めていくとしています。

今後も水素は、多くの場で活躍していくことが期待されます。

引用元:慶応義塾大学医学部プレスリリースhttps://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2020/11/27/28-76439/

※研究成果は2020年11月26日英国ネイチャー出版グループ『Scientific Reports』電子版に掲載。